医薬経済オンライン

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恥ずべきは「学会の身内びいき」

生体肝移植事件で露呈した数々の矛盾

ノンフィクションライター 高橋幸春

2015年7月15日号

 14年11月に開院したばかりの神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)。先端医療を標榜するこの病院で、昨年12月から今年4月までの間に生体肝移植を受けた8人のうち4人が、術後1ヵ月以内に死亡していたことが明らかになった。  13年末までの日本の生体肝移植の1年生存率は、18歳以上が80.8%、18歳未満が89.0%だ。この数字と比較すれば、わずか半年の間に、手術を受けた患者の半分が死亡しているというKIFMECの実績が異様なのは、誰の目にも明らかだろう。  この異常事態を受け、同病院の調査に入ったのが、肝移植の専門医で構成される日本肝移植研究会(会長=上本伸二・京都大学教授)だった。4月に出た調査報告書は、亡くなった4人のうち3人について、手術の計画や術後の管理などに問題がなければ、命を助けられた可能性があると指摘している。  例えば、生後10ヵ月の胆...  14年11月に開院したばかりの神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)。先端医療を標榜するこの病院で、昨年12月から今年4月までの間に生体肝移植を受けた8人のうち4人が、術後1ヵ月以内に死亡していたことが明らかになった。  13年末までの日本の生体肝移植の1年生存率は、18歳以上が80.8%、18歳未満が89.0%だ。この数字と比較すれば、わずか半年の間に、手術を受けた患者の半分が死亡しているというKIFMECの実績が異様なのは、誰の目にも明らかだろう。  この異常事態を受け、同病院の調査に入ったのが、肝移植の専門医で構成される日本肝移植研究会(会長=上本伸二・京都大学教授)だった。4月に出た調査報告書は、亡くなった4人のうち3人について、手術の計画や術後の管理などに問題がなければ、命を助けられた可能性があると指摘している。  例えば、生後10ヵ月の胆道閉

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