薬剤経済学
薬剤療法の価値
第8回 多発性骨髄腫新薬はケアの価値追加が凌駕
2015年7月15日号
「ケアの質調整費用−イノベーション費用の増大に対して健康獲得の価値を測定する有意義な方法」を、多発性骨髄腫治療の進歩に適用すると、治療の革新による便益追加の価値が費用増を相殺し、節減をもたらすことさえある。しかし一方で、当面の費用抑制に相対的に安価な標準療法に頼ると、革新の便益を手にできないうえに、経済的ではなくなる状況も浮かび上がる(ヘルス・アフェアーズ2015年4月)。 多発性骨髄腫はがん治療革新の先駆け的な領域で、2003年に「ボルテゾミブ」、2006年に「レナリドミド」が承認され、「デキサメタゾン(メルファラン、プレドニソン)+サリドマイド」の1次療法に反応しない患者の大半に2次療法として用いられるようになる。2009年には治療全体の67%をこの2新薬で占め、総費用は2004年の3万6607ドルから10万9554ドルに増えた。 しかし、治療法革新のたびに費用が急増し...
「ケアの質調整費用−イノベーション費用の増大に対して健康獲得の価値を測定する有意義な方法」を、多発性骨髄腫治療の進歩に適用すると、治療の革新による便益追加の価値が費用増を相殺し、節減をもたらすことさえある。しかし一方で、当面の費用抑制に相対的に安価な標準療法に頼ると、革新の便益を手にできないうえに、経済的ではなくなる状況も浮かび上がる(ヘルス・アフェアーズ2015年4月)。 多発性骨髄腫はがん治療革新の先駆け的な領域で、2003年に「ボルテゾミブ」、2006年に「レナリドミド」が承認され、「デキサメタゾン(メルファラン、プレドニソン)+サリドマイド」の1次療法に反応しない患者の大半に2次療法として用いられるようになる。2009年には治療全体の67%をこの2新薬で占め、総費用は2004年の3万6607ドルから10万9554ドルに増えた。 しかし、治療法革新のたびに費用が急増した結
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