技術革新と製薬企業の明日
世界初の開発に期待
第58回
生島准
2015年7月15日号
7月7日。築地の国立がん研究センター管理棟1階で開かれた記者会見には、同センター堀田知光理事長、同研究所分子細胞治療研究分野の落谷孝広主任分野長、同中央病院乳腺・腫瘍内科の田村研治内科長、スリー・ディー・マトリックスの永野恵嗣会長が顔を揃えた。がんセンター発の新薬「TDM─812」の臨床試験着手を発表する晴れの場に参集した人々の表情は明るい。無理もない。彼らこそが、アカデミア創薬の「死の谷」に橋渡しをすることに挑戦しているからだ。 TDM─812は化学合成した2本鎖RNA分子(1本鎖の長さは21塩基)である。抗体医薬の次のバイオ医薬の主流とされるオリゴ核酸医薬の先駆けで、がんセンターが狙うのは世界でどの企業も実用化に成功していないsiRNA(短鎖のRNA干渉分子)だ。 06年にノーベル賞を受賞したRNA干渉現象は、線虫に長いRNA分子を食べさせたところ...
7月7日。築地の国立がん研究センター管理棟1階で開かれた記者会見には、同センター堀田知光理事長、同研究所分子細胞治療研究分野の落谷孝広主任分野長、同中央病院乳腺・腫瘍内科の田村研治内科長、スリー・ディー・マトリックスの永野恵嗣会長が顔を揃えた。がんセンター発の新薬「TDM─812」の臨床試験着手を発表する晴れの場に参集した人々の表情は明るい。無理もない。彼らこそが、アカデミア創薬の「死の谷」に橋渡しをすることに挑戦しているからだ。 TDM─812は化学合成した2本鎖RNA分子(1本鎖の長さは21塩基)である。抗体医薬の次のバイオ医薬の主流とされるオリゴ核酸医薬の先駆けで、がんセンターが狙うのは世界でどの企業も実用化に成功していないsiRNA(短鎖のRNA干渉分子)だ。 06年にノーベル賞を受賞したRNA干渉現象は、線虫に長いRNA分子を食べさせたところ、
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