医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

薬剤経済学

薬剤療法の価値

第7回新技術の価値を汲む〈ケアの質調整費用〉

2015年7月1日号

 高額薬剤療法は、患者の治療費用を増やす。この傾向が鎮まる気配はなく、険しさを増す一方だが、費用にばかり眼を奪われ、新しい治療法が患者と社会にもたらす価値が看過されてはならない。医療費動向は、価値を組み込んで評価されるべきである。 そこでD.ラクダワラ(南カリフォルニア大学シェファー医療政策経済研究所)らは、〈ケアの質調整費用〉の概念を「イノベーション費用の増大に対する健康獲得の価値を測る方法」として提唱した(ヘルス・アフェアーズ2015年4月)。 例えば、結腸直腸がんと多発性骨髄腫に対する治療法の革新は、ともに治療単価の急増に結果したが、質調整生存年(QALY)1年当たり10万ドルで健康便益の追加を金銭化して差し引くと、価値を反映させたネットの費用増はぐっと縮むこともある。 ただし、その治療法が体現する価値が小さいと、ネットの費用増は大きいまま...  高額薬剤療法は、患者の治療費用を増やす。この傾向が鎮まる気配はなく、険しさを増す一方だが、費用にばかり眼を奪われ、新しい治療法が患者と社会にもたらす価値が看過されてはならない。医療費動向は、価値を組み込んで評価されるべきである。 そこでD.ラクダワラ(南カリフォルニア大学シェファー医療政策経済研究所)らは、〈ケアの質調整費用〉の概念を「イノベーション費用の増大に対する健康獲得の価値を測る方法」として提唱した(ヘルス・アフェアーズ2015年4月)。 例えば、結腸直腸がんと多発性骨髄腫に対する治療法の革新は、ともに治療単価の急増に結果したが、質調整生存年(QALY)1年当たり10万ドルで健康便益の追加を金銭化して差し引くと、価値を反映させたネットの費用増はぐっと縮むこともある。 ただし、その治療法が体現する価値が小さいと、ネットの費用増は大きいままだ

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence