海外時報
臨床系学会で薬価がテーマになる時代
2015年7月1日号
ASCO(米国臨床腫瘍学会)、ADA(米国糖尿病協会)、EULAR(欧州リウマチ学会)と、6月前半は重要な学会が続いた。とくに今年は、それぞれ独自なかたちで費用問題がクローズアップされ、先端の臨床研究が報告される主要学会でも、薬価に対する圧力が濃い影を落とす状況を再認識させた。
ASCOでは、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC)のレオナード・サルツが、招待講演で抗がん剤の薬価と薬剤費を正面から論じた。「研究者は科学を」「費用に関係なく患者にとって最善の治療に専念を」と言われ、結果として製薬会社が思いのまま振る舞ってきた状況を直視し、2.5万人が参加したマンモス学会のメイン・セッションで、薬価の話し合いを始めようと説いたのだ。曰く、治療不可能だった進行性メラノーマに対する免疫療法2剤の高い効果には「本当に驚いた」。しか...
ASCO(米国臨床腫瘍学会)、ADA(米国糖尿病協会)、EULAR(欧州リウマチ学会)と、6月前半は重要な学会が続いた。とくに今年は、それぞれ独自なかたちで費用問題がクローズアップされ、先端の臨床研究が報告される主要学会でも、薬価に対する圧力が濃い影を落とす状況を再認識させた。
ASCOでは、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(MSKCC)のレオナード・サルツが、招待講演で抗がん剤の薬価と薬剤費を正面から論じた。「研究者は科学を」「費用に関係なく患者にとって最善の治療に専念を」と言われ、結果として製薬会社が思いのまま振る舞ってきた状況を直視し、2.5万人が参加したマンモス学会のメイン・セッションで、薬価の話し合いを始めようと説いたのだ。曰く、治療不可能だった進行性メラノーマに対する免疫療法2剤の高い効果には「本当に驚いた」。しかし
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