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薬剤経済学

薬剤療法の価値

第6回 死因の相関と時間差を織り込んだ死亡率推計

2015年6月15日号

 高齢者外来薬剤給付制度による給付適用率の拡充がもたらした死亡率影響を通じて、その制度化の価値を評価した商務省経済分析局A.ダンらの「メディケア・パートDは命を救ったか?」(FRBワーキング・ペーパー2015年2月)は、「違いのなかの違い」分析を柱に進められた(6月1号)。ここでは、死亡率効果の測定も入念に行う必要がある。 心臓血管(CV)関連死の回避は、実はCV死亡率の変化に固定されない。効果は重い状態の患者群に集中し、救われた患者の併発疾患による死亡を増やす「競合するリスク」であるからだ。さらに生き残った集団も健康度は落ち、それは時を経てCV関連死、非CV死亡率を増やす。図2は、こうした「遅れた効果」の関係を説明している(点線は固定効果)。 薬剤給付適用率ゼロが100%適用になるとき、実施直後(1年半)にCV関連死で失う群の生存年数は、3.7〜5.0%...  高齢者外来薬剤給付制度による給付適用率の拡充がもたらした死亡率影響を通じて、その制度化の価値を評価した商務省経済分析局A.ダンらの「メディケア・パートDは命を救ったか?」(FRBワーキング・ペーパー2015年2月)は、「違いのなかの違い」分析を柱に進められた(6月1号)。ここでは、死亡率効果の測定も入念に行う必要がある。 心臓血管(CV)関連死の回避は、実はCV死亡率の変化に固定されない。効果は重い状態の患者群に集中し、救われた患者の併発疾患による死亡を増やす「競合するリスク」であるからだ。さらに生き残った集団も健康度は落ち、それは時を経てCV関連死、非CV死亡率を増やす。図2は、こうした「遅れた効果」の関係を説明している(点線は固定効果)。 薬剤給付適用率ゼロが100%適用になるとき、実施直後(1年半)にCV関連死で失う群の生存年数は、3.7〜5.0%、3

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