医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

官民協力で途上国開拓を

第57回

生島准

2015年6月15日号

 日本の製薬企業が、本気で発展途上国市場で儲けるには、一民間企業の力では足りない。自社製品だけを頼りに、この市場に挑む姿はまるでドンキホーテである。気が付けば、欧米は官民協力による「製品開発(PDPs)」で発展途上国市場の開拓を急速に進め、日本企業は後塵を拝するばかりだ。医療イノベーションをアジア諸国などに輸出して本気で経済成長を実現しようと言うならば、今こそPDPsに挑戦すべきなのだ。  実は今、日本の結核治療に対する貢献が袋小路に入っている。  5月の決算発表で栄研化学が宣言した6月上旬の世界保健機関(WHO)によるTB─LAMP法の推奨獲得は幻に終わった。LAMP法は画期的な遺伝子増幅診断法で、結核菌を遺伝子レベルで正確に診断できる。遺伝子増幅という診断原理は共通だが、スイス・ロシュダイアグノスティックスが商...  日本の製薬企業が、本気で発展途上国市場で儲けるには、一民間企業の力では足りない。自社製品だけを頼りに、この市場に挑む姿はまるでドンキホーテである。気が付けば、欧米は官民協力による「製品開発(PDPs)」で発展途上国市場の開拓を急速に進め、日本企業は後塵を拝するばかりだ。医療イノベーションをアジア諸国などに輸出して本気で経済成長を実現しようと言うならば、今こそPDPsに挑戦すべきなのだ。  実は今、日本の結核治療に対する貢献が袋小路に入っている。  5月の決算発表で栄研化学が宣言した6月上旬の世界保健機関(WHO)によるTB─LAMP法の推奨獲得は幻に終わった。LAMP法は画期的な遺伝子増幅診断法で、結核菌を遺伝子レベルで正確に診断できる。遺伝子増幅という診断原理は共通だが、スイス・ロシュダイアグノスティックスが商品

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