危惧される「学閥争い」と「利権」
高血圧学会で進む理事選出の改革、汚名返上できるか
2015年6月1日号
「ブラック学会」
果たして、日本高血圧学会はこの汚名を返上できるのだろうか。
同学会で理事を務めていた京都府立医科大学の松原弘明元教授が、実施した降圧剤「ディオバン」の臨床試験でデータの不正が発覚して2年近く経つ。この事件では、松原氏だけでなく学会幹部も、ディオバンの宣伝広告に協力していたということで「ブラック学会」と揶揄された。こうした批判を受け、学会トップが交代する事態となり、新たに横浜市立大学大学院の梅村敏教授が14年10月に就任することで落ち着いた。
梅村氏は、就任直後から臨床研究に対する提言や利益相反問題への対応など、次々と改革に着手。理事会のあり方も見直そうと理事選出の改革にも乗り出し、5月には選挙制の導入を会員に提案した。ディオバン事件への対応が遅れた要因に、理事会の閉鎖的な体質があったことを考慮しての提案だが、早速、この選...
「ブラック学会」
果たして、日本高血圧学会はこの汚名を返上できるのだろうか。
同学会で理事を務めていた京都府立医科大学の松原弘明元教授が、実施した降圧剤「ディオバン」の臨床試験でデータの不正が発覚して2年近く経つ。この事件では、松原氏だけでなく学会幹部も、ディオバンの宣伝広告に協力していたということで「ブラック学会」と揶揄された。こうした批判を受け、学会トップが交代する事態となり、新たに横浜市立大学大学院の梅村敏教授が14年10月に就任することで落ち着いた。
梅村氏は、就任直後から臨床研究に対する提言や利益相反問題への対応など、次々と改革に着手。理事会のあり方も見直そうと理事選出の改革にも乗り出し、5月には選挙制の導入を会員に提案した。ディオバン事件への対応が遅れた要因に、理事会の閉鎖的な体質があったことを考慮しての提案だが、早速、この選挙制
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