医政羅針盤
望まれるキャンサーボードのさらなる拡大
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2015年6月1日号
最近、医療事故を巡る報道が多く見られるようになった。例えば、群馬大学医学部付属病院で、腹腔鏡下の肝臓切除手術を受けた肝臓がんなどの患者が相次いで死亡していた事例は、世間から大きな注目を浴びている。
本件では、診療科長の教授までもが患者死亡事案を「認識していなかった」と述べているが、このような重大な情報が診療科内部でも、さらには病院全体でも共有できておらず、対応が講じられてこなかったという点で、組織のガバナンス上の問題が指摘されている。倫理委員会への申請なども行われておらず、実施体制にかなり問題があったようだ。
ここでは、個別事例の詳細について、立ち入って議論することはしないが、このような状況を見ていると、医療安全対策上のさまざまな問題に加え、がん治療において、がん診療連携拠点病院の指定要件にもなっている「キャンサーボード」が群大病院...
最近、医療事故を巡る報道が多く見られるようになった。例えば、群馬大学医学部付属病院で、腹腔鏡下の肝臓切除手術を受けた肝臓がんなどの患者が相次いで死亡していた事例は、世間から大きな注目を浴びている。
本件では、診療科長の教授までもが患者死亡事案を「認識していなかった」と述べているが、このような重大な情報が診療科内部でも、さらには病院全体でも共有できておらず、対応が講じられてこなかったという点で、組織のガバナンス上の問題が指摘されている。倫理委員会への申請なども行われておらず、実施体制にかなり問題があったようだ。
ここでは、個別事例の詳細について、立ち入って議論することはしないが、このような状況を見ていると、医療安全対策上のさまざまな問題に加え、がん治療において、がん診療連携拠点病院の指定要件にもなっている「キャンサーボード」が群大病院で
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