医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

なぜ日本ではEBMが理解されないか

第26回

鍛冶孝雄

2015年6月1日号

 森鴎外の『高瀬舟』(第16回、15年1月1日号)を取り上げたとき、1880年代後半に、いわゆる脚気論争で、森が当時の海軍軍医・高木兼寛と対立したことを吉村昭氏の小説『白い航跡』を参照しながら見ていった。脚気の原因を「白米食」と捉え、いわゆる疫学的アプローチで立証しようとした英国学派の高木と、黴菌説で対抗したドイツ学派の森という対立軸が基本になったことを、筆者は知った。森が高木説に本格的に反論し始めたのが1888年で、実はこの頃、欧米でも臨床研究を巡る論争の最中にあり、2人の対立は、こうした欧米の論争が下敷きにあったことを教えてくれる本に出会った。  森鴎外の『高瀬舟』(第16回、15年1月1日号)を取り上げたとき、1880年代後半に、いわゆる脚気論争で、森が当時の海軍軍医・高木兼寛と対立したことを吉村昭氏の小説『白い航跡』を参照しながら見ていった。脚気の原因を「白米食」と捉え、いわゆる疫学的アプローチで立証しようとした英国学派の高木と、黴菌説で対抗したドイツ学派の森という対立軸が基本になったことを、筆者は知った。森が高木説に本格的に反論し始めたのが1888年で、実はこの頃、欧米でも臨床研究を巡る論争の最中にあり、2人の対立は、こうした欧米の論争が下敷きにあったことを教えてくれる本に出会った。

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence