医薬経済オンライン

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眺望「医薬街道」

診断名を載せない処方箋は非効率だ

近藤正觀

2015年6月1日号

 医薬分業が約70%に達した現在、患者が処方箋を持っていくのは「門前薬局」が圧倒的な状況となり、分業の当初の目的だった「面分業」は面影が失せ「点分業」に陥った。かかりつけ薬局構想は実現せず、それぞれの医療機関の近くにある門前薬局で薬剤を受け取った結果、薬剤の重複、とりわけ代謝機能が減退した高齢者は大量の薬剤投与で副作用を発現する患者も出現している。 政府の規制改革会議は、分業について、患者が道路を隔てた遠い薬局にわざわざ行くことを疑問視、院内薬局に回帰する方向を模索している。日本薬剤師会は、院内では医師の処方に偏りを生じる危険性があると院内薬局に反対だ。 薬剤は医師にとって適正使用が行われれば治療のための最大の「武器」となる。しかし、残念ながら今の分業では医療機関ごとに処方箋が交付され、門前薬局は粛々と調剤する。患者が何ヵ所の医療機関に受...  医薬分業が約70%に達した現在、患者が処方箋を持っていくのは「門前薬局」が圧倒的な状況となり、分業の当初の目的だった「面分業」は面影が失せ「点分業」に陥った。かかりつけ薬局構想は実現せず、それぞれの医療機関の近くにある門前薬局で薬剤を受け取った結果、薬剤の重複、とりわけ代謝機能が減退した高齢者は大量の薬剤投与で副作用を発現する患者も出現している。 政府の規制改革会議は、分業について、患者が道路を隔てた遠い薬局にわざわざ行くことを疑問視、院内薬局に回帰する方向を模索している。日本薬剤師会は、院内では医師の処方に偏りを生じる危険性があると院内薬局に反対だ。 薬剤は医師にとって適正使用が行われれば治療のための最大の「武器」となる。しかし、残念ながら今の分業では医療機関ごとに処方箋が交付され、門前薬局は粛々と調剤する。患者が何ヵ所の医療機関に受診し

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