新薬の市場環境を読む
エビリファイ後発品が提起する根深い課題
第68回
バークレイズ証券 株式調査部 関篤史
2015年5月15日号
「エビリファイ」は大塚ホールディングスにとって象徴的な製品で、14年米国売上高は49億31百万ドルを記録した。ギリアドのC型肝炎治療剤「ソバルディ」「ハーボニ」が上市されるまでは、米国で最も売上高が大きい製品だった。
15年4月にエビリファイの独占販売権を米国で失う大塚は、16年に業績が底打ちし、17年以降にゆっくりと業績が回復すると見込んでいる。注射剤の「エビリファイメンテナ」及び後継品の「ブレクスピプラゾール」の開発にも成功している。ところが、エビリファイ後発品の上市は一筋縄ではいかず、大塚は欠点が露呈した制度に対し、一石を投じたかたちとなった。一連の動きをまとめてみたい。
エビリファイは米国において統合失調症、双極性障害、大うつ病などを適応として承認されている。米国独占販売権は物質特許(5006528)によって保護されており、小児適応開発による半...
「エビリファイ」は大塚ホールディングスにとって象徴的な製品で、14年米国売上高は49億31百万ドルを記録した。ギリアドのC型肝炎治療剤「ソバルディ」「ハーボニ」が上市されるまでは、米国で最も売上高が大きい製品だった。
15年4月にエビリファイの独占販売権を米国で失う大塚は、16年に業績が底打ちし、17年以降にゆっくりと業績が回復すると見込んでいる。注射剤の「エビリファイメンテナ」及び後継品の「ブレクスピプラゾール」の開発にも成功している。ところが、エビリファイ後発品の上市は一筋縄ではいかず、大塚は欠点が露呈した制度に対し、一石を投じたかたちとなった。一連の動きをまとめてみたい。
エビリファイは米国において統合失調症、双極性障害、大うつ病などを適応として承認されている。米国独占販売権は物質特許(5006528)によって保護されており、小児適応開発による半年間
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