時流遡航
回想の視座から眺める現在と未来
第7回
ジャーナリスト 本田成親
2015年5月15日号
10年秋に奈良県で開催された「夢の光が照らす文化と歴史」の講演会。中井泉・東京理科大学教授の講演を引き継ぐかたちで壇上に立ったのは、この日の特別講演者、吉村作治・早稲田大学名誉教授だった。「科学の力で歴史の謎を解く」という演題のもと、飄々(ひょうひょう)とした姿で話し始めた吉村教授が真っ先に強調したのは、「考古学や歴史学は文系のみの学問ではない」ということだった。考古学・歴史学は文系の学問だという日本学術界特有の思考や見解に染まりきっている者などにとっては、中井教授と吉村教授の講演内容はかなり衝撃的だったことだろう。
「遺跡から出土した遺物や古代の人々が書き残した碑文・文献類などを検証し、当時の事実を探り明かすのが目的の考古学や歴史学は、国際的な学術研究の場では昔から科学技術の力をもとにして考察が進められてきた。あえて文系...
10年秋に奈良県で開催された「夢の光が照らす文化と歴史」の講演会。中井泉・東京理科大学教授の講演を引き継ぐかたちで壇上に立ったのは、この日の特別講演者、吉村作治・早稲田大学名誉教授だった。「科学の力で歴史の謎を解く」という演題のもと、飄々(ひょうひょう)とした姿で話し始めた吉村教授が真っ先に強調したのは、「考古学や歴史学は文系のみの学問ではない」ということだった。考古学・歴史学は文系の学問だという日本学術界特有の思考や見解に染まりきっている者などにとっては、中井教授と吉村教授の講演内容はかなり衝撃的だったことだろう。
「遺跡から出土した遺物や古代の人々が書き残した碑文・文献類などを検証し、当時の事実を探り明かすのが目的の考古学や歴史学は、国際的な学術研究の場では昔から科学技術の力をもとにして考察が進められてきた。あえて文系・
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