淘汰されるべき「薬学部」はどこか

薬剤師国家試験で露呈した暗部

2015年5月1日号

「最後まで希望は捨てないほうがいい」　ドラッグストア経営者の間には前向きな観測が流れていた。合格率が低いと見ていた予備校の予想が的中すれば、多くの内定辞退者を覚悟せねばならなかったが、冒頭の言葉に一縷の望みを託していた。その結果、思いが届いたのか、あるいは既定路線だったのか、胸を撫で下ろすことになった。　3月27日。厚生労働省は第100回薬剤師国家試験の合格者数を発表した。受験者の多くは、すでに病院や薬局などから内定をもらった新卒の学生たちだ。当然ながら、薬剤師の資格取得を見込んだうえでの採用であり、「不合格」は学生、企業の双方にとって不幸なものとなる。　国家資格取得見込みの学生の「青田買い」は薬剤師に限ったことではなく、医療従事者であれば特段珍しいことではない。だが、薬剤師に関しては、多くの関係者が不安を訴える。それは前回の国家試験のシ... 「最後まで希望は捨てないほうがいい」　ドラッグストア経営者の間には前向きな観測が流れていた。合格率が低いと見ていた予備校の予想が的中すれば、多くの内定辞退者を覚悟せねばならなかったが、冒頭の言葉に一縷の望みを託していた。その結果、思いが届いたのか、あるいは既定路線だったのか、胸を撫で下ろすことになった。　3月27日。厚生労働省は第100回薬剤師国家試験の合格者数を発表した。受験者の多くは、すでに病院や薬局などから内定をもらった新卒の学生たちだ。当然ながら、薬剤師の資格取得を見込んだうえでの採用であり、「不合格」は学生、企業の双方にとって不幸なものとなる。　国家資格取得見込みの学生の「青田買い」は薬剤師に限ったことではなく、医療従事者であれば特段珍しいことではない。だが、薬剤師に関しては、多くの関係者が不安を訴える。それは前回の国家試験のショッ

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