医薬経済オンライン

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武田は「タケキャブ」を活かせるか

「非劣性試験」でPPI市場に挑むタケダイズム

㈱薬新 井高恭彦

2015年5月1日号

武田薬品・中村浩巳MA部長  武田薬品が酸関連疾患治療薬「タケキャブ」で医療機関に猛攻をかけている。ウェブ上の製品紹介に添えられたキャッチフレーズは「強さ、速さには、理由がある」。「意味がある」ではなく、「理由がある」としたところに、武田の巧妙な戦略が滲み出ている。  この分野の新薬開発は胃酸の分泌抑制が基本。抑制の強さと、速さを競い合って80年代にH2ブロッカーが登場、その後、90年代にプロトンポンプ阻害薬(PPI)が主流になって現在に至る。タケキャブは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P─CAB)と呼ばれる久々の“新型”医薬品だ。薬理試験では胃酸の抑制効果がPPIより強く、速いことがわかっている。  しかし、武田が承認を得るために患者を対象に実施した臨床試験は、あくまで既存薬との「非劣性」を証明するための試験デザインである... 武田薬品・中村浩巳MA部長  武田薬品が酸関連疾患治療薬「タケキャブ」で医療機関に猛攻をかけている。ウェブ上の製品紹介に添えられたキャッチフレーズは「強さ、速さには、理由がある」。「意味がある」ではなく、「理由がある」としたところに、武田の巧妙な戦略が滲み出ている。  この分野の新薬開発は胃酸の分泌抑制が基本。抑制の強さと、速さを競い合って80年代にH2ブロッカーが登場、その後、90年代にプロトンポンプ阻害薬(PPI)が主流になって現在に至る。タケキャブは、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P─CAB)と呼ばれる久々の“新型”医薬品だ。薬理試験では胃酸の抑制効果がPPIより強く、速いことがわかっている。  しかし、武田が承認を得るために患者を対象に実施した臨床試験は、あくまで既存薬との「非劣性」を証明するための試験デザインである。狙

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