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医政羅針盤

「保険給付範囲の縮小」目論む2つの流れ

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2015年4月15日号

 客観情勢として、今後、医療費抑制基調が強まることが予想される。具体的には、さまざまな政策メニューが議論されることになるだろうが、そのひとつに公的医療保険の給付範囲の縮小がある。これまでも、医療制度改革の議論の度に、財務省や経済財政諮問会議などから、給付範囲を見直すべきであるといった提案が繰り返されてきたが、反対意見が強く、実現してこなかった。しかし、給付範囲の縮小を求める声が消えることはなく、これからも財政制約が強まるなかで、より現実味を帯びた議論になる可能性は少なくない。  給付範囲縮小の対象として議論になるのが、軽度医療やOTC類似薬である。この点で記憶に新しいのが、14年度診療報酬改定のときに話題になった、うがい薬だ。当時の経緯を振り返ると、次のようなものであった。  事の発端は、13年12月20日、診療報酬改定率に関する麻生太郎財務相と...  客観情勢として、今後、医療費抑制基調が強まることが予想される。具体的には、さまざまな政策メニューが議論されることになるだろうが、そのひとつに公的医療保険の給付範囲の縮小がある。これまでも、医療制度改革の議論の度に、財務省や経済財政諮問会議などから、給付範囲を見直すべきであるといった提案が繰り返されてきたが、反対意見が強く、実現してこなかった。しかし、給付範囲の縮小を求める声が消えることはなく、これからも財政制約が強まるなかで、より現実味を帯びた議論になる可能性は少なくない。  給付範囲縮小の対象として議論になるのが、軽度医療やOTC類似薬である。この点で記憶に新しいのが、14年度診療報酬改定のときに話題になった、うがい薬だ。当時の経緯を振り返ると、次のようなものであった。  事の発端は、13年12月20日、診療報酬改定率に関する麻生太郎財務相と田

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