医薬経済オンライン

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薬剤経済学

薬剤療法の価値

第1回 コピュラ─費用相殺仮説の新しい分析法

2015年4月1日号

 図1は、薬剤の利用が薬剤以外の医療の利用と支出を減らすという費用相殺の仮説を示している。成人心臓病患者を例にとると、1四半期前の薬剤支出が次の四半期(当期)の他の医療費減に関係しているが、薬剤費増大は非薬剤支出の上昇を伴う。まず薬剤費増分が非薬剤費の節減を上回り、やがてその節減も消えるという軌道を描く。 中位の薬剤費で相関性は高い。図2は精神疾患と関節炎、糖尿病を加えた4疾患の25〜75%値(疾患で信頼区間は異なる。概ね30〜180ドル)の状況だ。糖尿病は薬剤費が次の四半期に節減を生む確率が高い。部分相殺にとどまる精神疾患を除いて、前の四半期の薬剤費60ドルが正味節減の粗い指標になる。これが、薬剤支出の生産性(節減効果)が消える限界=「マージナルな生産性」に到る過程だ。パーサ・デブ(ハンター・カレッジ)ら米国の研究チームによる「薬剤支出の費用相殺:コ...  図1は、薬剤の利用が薬剤以外の医療の利用と支出を減らすという費用相殺の仮説を示している。成人心臓病患者を例にとると、1四半期前の薬剤支出が次の四半期(当期)の他の医療費減に関係しているが、薬剤費増大は非薬剤支出の上昇を伴う。まず薬剤費増分が非薬剤費の節減を上回り、やがてその節減も消えるという軌道を描く。 中位の薬剤費で相関性は高い。図2は精神疾患と関節炎、糖尿病を加えた4疾患の25〜75%値(疾患で信頼区間は異なる。概ね30〜180ドル)の状況だ。糖尿病は薬剤費が次の四半期に節減を生む確率が高い。部分相殺にとどまる精神疾患を除いて、前の四半期の薬剤費60ドルが正味節減の粗い指標になる。これが、薬剤支出の生産性(節減効果)が消える限界=「マージナルな生産性」に到る過程だ。パーサ・デブ(ハンター・カレッジ)ら米国の研究チームによる「薬剤支出の費用相殺:コピ

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