医薬経済気象台
賃上げ追い風に消費回復へ
2015年4月1日号
「賃上げの春」という文字が新聞紙上に躍っている。3月18日を一斉回答日とした大手企業の労使交渉の結果は、昨年を大きく上回るものとなった。主要企業への事前のアンケート調査では、昨年以上の賃上げを予定している企業が約5割を占めていたが、一斉回答日が自動車、電機の大手が中心だったこともあって、軒並み昨年を大きく上回る賃上げを実現した。
労働組合が要求する賃上げは、定昇と略称される定期昇給とは別のベースアップ、いわゆるベアだ。ベアは全体の底上げであり、勤務年数が増えると賃金基準に沿って自動的に賃金が上昇する定昇とは別のものだ。ベアを実施すれば、全体の賃金水準が上昇し、状況次第で変化するボーナスと称する一時金と違って負担は一貫して続くことになる。このため、ベアはリストラ先行のデフレ経済下では見送られたうえ、定昇を凍結した企業もある。本格的にベアが復...
「賃上げの春」という文字が新聞紙上に躍っている。3月18日を一斉回答日とした大手企業の労使交渉の結果は、昨年を大きく上回るものとなった。主要企業への事前のアンケート調査では、昨年以上の賃上げを予定している企業が約5割を占めていたが、一斉回答日が自動車、電機の大手が中心だったこともあって、軒並み昨年を大きく上回る賃上げを実現した。
労働組合が要求する賃上げは、定昇と略称される定期昇給とは別のベースアップ、いわゆるベアだ。ベアは全体の底上げであり、勤務年数が増えると賃金基準に沿って自動的に賃金が上昇する定昇とは別のものだ。ベアを実施すれば、全体の賃金水準が上昇し、状況次第で変化するボーナスと称する一時金と違って負担は一貫して続くことになる。このため、ベアはリストラ先行のデフレ経済下では見送られたうえ、定昇を凍結した企業もある。本格的にベアが復活し
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