医薬経済オンライン

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読む医療—医師が書いた本の斜め読み—

多様なエピソードの宝庫でもある医学論文

第22回

鍛冶孝雄

2015年4月1日号

 前回に引き続いて「医学論文」に関する図書を選んでみた。医学系、とくに生命科学系論文誌のブランド化が、論文不正の引き金のひとつとなっていることを前回の『嘘と絶望の科学』(榎木英介氏著、14年、文春新書刊)は指摘しているが、今回取り上げる『本当にあった医学論文』(14年、中外医学社刊)は、信じられないような話、とくに「症例報告」のいわば「小ネタ集」。ブランド誌に載らない、たいへん失礼な表現を許してもらえれば、いわば「小物」でも、読むに値することを証明している。この際の「読むに値する」は「面白い」ということだ。加えて、驚くべき症例報告のほかに、医療現場におけるスマートフォンなどのデバイスリスク、認知症患者への虐待、末期がん患者の死生観などに関する論文も紹介されており、人間の営み、考え方、嗜好、趣味などが実に多様で、またその理解を前提にしない...  前回に引き続いて「医学論文」に関する図書を選んでみた。医学系、とくに生命科学系論文誌のブランド化が、論文不正の引き金のひとつとなっていることを前回の『嘘と絶望の科学』(榎木英介氏著、14年、文春新書刊)は指摘しているが、今回取り上げる『本当にあった医学論文』(14年、中外医学社刊)は、信じられないような話、とくに「症例報告」のいわば「小ネタ集」。ブランド誌に載らない、たいへん失礼な表現を許してもらえれば、いわば「小物」でも、読むに値することを証明している。この際の「読むに値する」は「面白い」ということだ。加えて、驚くべき症例報告のほかに、医療現場におけるスマートフォンなどのデバイスリスク、認知症患者への虐待、末期がん患者の死生観などに関する論文も紹介されており、人間の営み、考え方、嗜好、趣味などが実に多様で、またその理解を前提にしないと医

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