医薬経済オンライン

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「原発の町」福島大熊町の今

高齢者の「心の復興」が課題に

ジャーナリスト・三山喬

2015年3月15日号

 東北があの惨事から4度目の「3.11」を迎えた。福島では除染の進行に伴い、避難区域が段階的に縮小されているが、居住区の大半が帰還困難区域となっている「原発の町・大熊」の場合、ごく限られた区域を除き、帰還の実現は20年後とも30年後とも言われている。もはや大半の町民は、我が家への帰還を〝夢物語〟と受け止めている。  筆者は、震災の直後から福島県内外の大熊被災者を訪ね歩き、昨秋、その思いを『さまよえる町〜フクシマ「曝心地」の心の声を追って』(東海教育研究所)という本にまとめた。被災から4年が経過する前に、改めて人々に近況を聞くと、中高年、とりわけ60歳代以上の被災者にとって最大の課題は、不慣れな地で余生を送る現実とどう向き合い、孤独や虚無感を乗り越えるか、という〝心の問題〟になりつつある。  大熊関連の復興プロセスでは、目下、3つの動きが進められている...  東北があの惨事から4度目の「3.11」を迎えた。福島では除染の進行に伴い、避難区域が段階的に縮小されているが、居住区の大半が帰還困難区域となっている「原発の町・大熊」の場合、ごく限られた区域を除き、帰還の実現は20年後とも30年後とも言われている。もはや大半の町民は、我が家への帰還を〝夢物語〟と受け止めている。  筆者は、震災の直後から福島県内外の大熊被災者を訪ね歩き、昨秋、その思いを『さまよえる町〜フクシマ「曝心地」の心の声を追って』(東海教育研究所)という本にまとめた。被災から4年が経過する前に、改めて人々に近況を聞くと、中高年、とりわけ60歳代以上の被災者にとって最大の課題は、不慣れな地で余生を送る現実とどう向き合い、孤独や虚無感を乗り越えるか、という〝心の問題〟になりつつある。  大熊関連の復興プロセスでは、目下、3つの動きが進められている。ひ

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