読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
生命科学研究の構造を知るガイダンス
第21回
鍛冶孝雄
2015年3月15日号
STAP細胞騒動が起きてから早いもので1年が過ぎた。「騒動」がいつ起こったかを厳密に言えばほぼ1年。小保方晴子氏が「発見」をネイチャーで論文発表したのが14年1月29日であり、その研究成果に疑問が指摘され、大騒動になったのは3月頃からではないかと思う。その後、いろいろな出来事があった。あそこまで事件化し、連日メディアを賑わし、自死する人まで出した生命科学研究の論文発表は初めてではないか。ピンクの研究室、割烹着、縫いぐるみなどのキーワードは、女性科学者を芸能人扱いするには十分な演出だったし、ひとたびそれが暗転すると、すべてがバッシングの対象となる塩梅は、何度も科学以外のスキャンダルで見た光景ではある。
しかし、筆者にとって、どこか違和感が拭えなかったのは、これは科学研究不正のひとつではないのか、さらに公的資金も大量に投入されてい...
STAP細胞騒動が起きてから早いもので1年が過ぎた。「騒動」がいつ起こったかを厳密に言えばほぼ1年。小保方晴子氏が「発見」をネイチャーで論文発表したのが14年1月29日であり、その研究成果に疑問が指摘され、大騒動になったのは3月頃からではないかと思う。その後、いろいろな出来事があった。あそこまで事件化し、連日メディアを賑わし、自死する人まで出した生命科学研究の論文発表は初めてではないか。ピンクの研究室、割烹着、縫いぐるみなどのキーワードは、女性科学者を芸能人扱いするには十分な演出だったし、ひとたびそれが暗転すると、すべてがバッシングの対象となる塩梅は、何度も科学以外のスキャンダルで見た光景ではある。
しかし、筆者にとって、どこか違和感が拭えなかったのは、これは科学研究不正のひとつではないのか、さらに公的資金も大量に投入されている
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