医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

今こそ「最適医療」の実現を

第56回

生島准

2015年3月15日号

 ヒト・ゲノム全解読のコストが1000ドルを割った結果、ゲノム情報を活用して医療改革を進めようという動きが日米で始まった。だが、日本は手段に過ぎないゲノム解読に拘泥するあまり、現実の医療や医療システムを変革しようとする機運がない。日本の製造業が技術偏重、市場軽視によって国際競争力を失った轍をここでも踏む可能性がある。 米国のオバマ大統領が1月に行った一般教書演説で打ち上げたのが「プレシジョン・メディシン」だ。「従来の医療は平均的な患者を対象に開発されたものだが、プレシジョン・メディシンでは患者個人の遺伝子、環境、ライフスタイルに関する違いを考慮した予防や治療法を確立する」と宣言したのである。実はオバマ大統領は上院議員の時代に2度も、プレシジョン・メディシン(当時は個別化医療という名で)実現法案を提出したことがある。残りの大統領の在任期間をかけ...  ヒト・ゲノム全解読のコストが1000ドルを割った結果、ゲノム情報を活用して医療改革を進めようという動きが日米で始まった。だが、日本は手段に過ぎないゲノム解読に拘泥するあまり、現実の医療や医療システムを変革しようとする機運がない。日本の製造業が技術偏重、市場軽視によって国際競争力を失った轍をここでも踏む可能性がある。 米国のオバマ大統領が1月に行った一般教書演説で打ち上げたのが「プレシジョン・メディシン」だ。「従来の医療は平均的な患者を対象に開発されたものだが、プレシジョン・メディシンでは患者個人の遺伝子、環境、ライフスタイルに関する違いを考慮した予防や治療法を確立する」と宣言したのである。実はオバマ大統領は上院議員の時代に2度も、プレシジョン・メディシン(当時は個別化医療という名で)実現法案を提出したことがある。残りの大統領の在任期間をかけて、

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