インド特許と製薬産業
インド初の強制実施権発令
第3回
筑波大学ビジネス系准教授・三森八重子
2015年3月1日号
05年に施行されたインド特許法改正後のもうひとつの大きな出来事が12年3月に発令されたインド初の強制実施権だった。それはインドの製薬企業であるナトコファーマが、ドイツのバイエルの抗がん剤「ネクサバール」(一般名=トシル酸ソラフェニブ)の特許に対して、強制実施権の発令を申請し、その申請を、インドの特許庁が認めたものだ。
強制実施権設定を受けて、ナトコファーマは、ネクサバールのジェネリックバージョンの1ヵ月分(120錠)を8800ルピー(ネクサバールの価格の3%)で、インドで発売した。ナトコファーマはバイエルに6%の特許権使用料を支払う。
本件は、現行のインド特許法の下では初めての強制実施権ということで注目を集めた。
通常、第3者が持つ特許技術を利用して製品を製造する際には、特許権者の許諾が必要である。強制実施権とは、一定の要件を満たしていることを前...
05年に施行されたインド特許法改正後のもうひとつの大きな出来事が12年3月に発令されたインド初の強制実施権だった。それはインドの製薬企業であるナトコファーマが、ドイツのバイエルの抗がん剤「ネクサバール」(一般名=トシル酸ソラフェニブ)の特許に対して、強制実施権の発令を申請し、その申請を、インドの特許庁が認めたものだ。
強制実施権設定を受けて、ナトコファーマは、ネクサバールのジェネリックバージョンの1ヵ月分(120錠)を8800ルピー(ネクサバールの価格の3%)で、インドで発売した。ナトコファーマはバイエルに6%の特許権使用料を支払う。
本件は、現行のインド特許法の下では初めての強制実施権ということで注目を集めた。
通常、第3者が持つ特許技術を利用して製品を製造する際には、特許権者の許諾が必要である。強制実施権とは、一定の要件を満たしていることを前提に
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録