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眺望 医薬街道

公費拡大しか方法のなかった国保改革

近藤正觀

2015年3月1日号

 厚生労働省は過去数年間にわたった医療制度度改革(とくに国民健康保険制度)に一定の道筋を付けようとしている。職域保険の「組合健保」に対して、地域保険である「市町村国保」は根本的に構造的な問題を抱えてきた。国保の加入者は自営業のほか、会社を退職後職域保険(被用者保険)から国保に移籍するケースが多い。収入が激減するなか、会社負担であった保険料の半額も負担せねばならないので、加入者は負担感が大きい保険料を納める状況となる。高齢になって国保へ移るので、抱えている疾病も多くなるのが実情だ。組合健保の平均年齢が34.3歳に対し、国保の平均年齢は50.4歳となる。医療費では、組合健保が1人当たり14.4万円、国保が31.6万円だ。 13年の国保の財政状況は保険者約1700のうち、赤字保険者は51%を超え、赤字補填のための一般予算からの法定外繰り入れは3500億円を超えている。繰り...  厚生労働省は過去数年間にわたった医療制度度改革(とくに国民健康保険制度)に一定の道筋を付けようとしている。職域保険の「組合健保」に対して、地域保険である「市町村国保」は根本的に構造的な問題を抱えてきた。国保の加入者は自営業のほか、会社を退職後職域保険(被用者保険)から国保に移籍するケースが多い。収入が激減するなか、会社負担であった保険料の半額も負担せねばならないので、加入者は負担感が大きい保険料を納める状況となる。高齢になって国保へ移るので、抱えている疾病も多くなるのが実情だ。組合健保の平均年齢が34.3歳に対し、国保の平均年齢は50.4歳となる。医療費では、組合健保が1人当たり14.4万円、国保が31.6万円だ。 13年の国保の財政状況は保険者約1700のうち、赤字保険者は51%を超え、赤字補填のための一般予算からの法定外繰り入れは3500億円を超えている。繰り入

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