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医政羅針盤

都道府県医療費目標「悪用」の危険性

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2015年2月15日号

 今通常国会に関連法案が提出される予定の医療保険制度改革のなかで、国保広域化などと並んで注目されるのが、都道府県が医療費水準の目標を設定することだ。これまでの医療費適正化計画においても、特定健診・特定保健指導の推進や平均在院日数の短縮などにより、どれぐらい医療費を抑制できるかという数値を示すことになっているが、今回の見直しでは、「地域医療構想と整合的な目標(医療費の水準、医療の効率的な提供の推進)を計画のなかに設定し、国においてこの設定に必要な指標などを定める」方針となっている。  この都道府県医療費目標は、経済財政諮問会議の民間議員や財務省などが提案してきたものであるが、実際に運用される段階で、医療費目標がどのように活用されるのかという点が、今後、大きな鍵になるのではないだろうか。言い換えれば、どれほど「拘束力」を持った目標として位置...  今通常国会に関連法案が提出される予定の医療保険制度改革のなかで、国保広域化などと並んで注目されるのが、都道府県が医療費水準の目標を設定することだ。これまでの医療費適正化計画においても、特定健診・特定保健指導の推進や平均在院日数の短縮などにより、どれぐらい医療費を抑制できるかという数値を示すことになっているが、今回の見直しでは、「地域医療構想と整合的な目標(医療費の水準、医療の効率的な提供の推進)を計画のなかに設定し、国においてこの設定に必要な指標などを定める」方針となっている。  この都道府県医療費目標は、経済財政諮問会議の民間議員や財務省などが提案してきたものであるが、実際に運用される段階で、医療費目標がどのように活用されるのかという点が、今後、大きな鍵になるのではないだろうか。言い換えれば、どれほど「拘束力」を持った目標として位置付け

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