薬価基準の歴史
国民皆保険への歩み②
第11回
業界アナリスト 藤辺徹貴
2015年2月15日号
1947年(昭和22年)、GHQの招聘を受けて来日した米国の社会保障制度調査団は、1年間にわたり日本の社会保障制度について調査を行ったあと、1948年(昭和23年)、日本の社会保障制度の改革に関する報告書をまとめ、日本政府に勧告した。勧告は調査団団長のウィリアム・ワンデルの名を採り、「ワンデル勧告」と呼ばれた。
ワンデル勧告では、以下のような内容を中心とする改革案を提示した。
①社会保険については、医療などの現物給付による保険と、年金などの現金給付による保険との2つの体系にまとめる。
②健康保険組合は存続させ、政府管掌健康保険は地方自治体で行わせる。
③国民健康保険は市町村が運営するものとし、全住民を強制加入させる。
しかし、ワンデル勧告はあくまで日本国民に対する参考に供するものであり、日本政府として社会保障に関する企画、政策決定、法律制定などを具体的に...
1947年(昭和22年)、GHQの招聘を受けて来日した米国の社会保障制度調査団は、1年間にわたり日本の社会保障制度について調査を行ったあと、1948年(昭和23年)、日本の社会保障制度の改革に関する報告書をまとめ、日本政府に勧告した。勧告は調査団団長のウィリアム・ワンデルの名を採り、「ワンデル勧告」と呼ばれた。
ワンデル勧告では、以下のような内容を中心とする改革案を提示した。
①社会保険については、医療などの現物給付による保険と、年金などの現金給付による保険との2つの体系にまとめる。
②健康保険組合は存続させ、政府管掌健康保険は地方自治体で行わせる。
③国民健康保険は市町村が運営するものとし、全住民を強制加入させる。
しかし、ワンデル勧告はあくまで日本国民に対する参考に供するものであり、日本政府として社会保障に関する企画、政策決定、法律制定などを具体的に検
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