医薬経済オンライン

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読む医療ー医師が書いた本の斜め読みー

直木賞受賞後に量産された医療小説

第19回

鍛冶孝雄

2015年2月15日号

 今回は2月1日号に引き続き、昨年4月に逝去した渡辺淳一氏の、12年秋に中公文庫から刊行された3巻の文庫本、『渡辺淳一メディカル・セレクション(Medical Selection)』を取り上げたい。  渡辺氏を語る際に避けて通れないのは、1968年8月に行われた札幌医科大学の和田寿郎教授による本邦初の心臓移植手術の問題である。当時、同氏は札幌医大の大学院生だったと、このメディカル・セレクションの3冊に付されている特別インタビューで明らかにしている。この頃、地域の同人誌を中心に小説を発表し、新潮同人雑誌賞を受賞するなど、新人小説家として中央からも関心を集め始めていた同氏だが、いわゆる和田移植問題が、小説家一本で進んでいく契機となったことが語られている(なお、このインタビューでは新潮同人雑誌賞の受賞半年後に和田移植があったと述べているが、同賞の受賞は65年...  今回は2月1日号に引き続き、昨年4月に逝去した渡辺淳一氏の、12年秋に中公文庫から刊行された3巻の文庫本、『渡辺淳一メディカル・セレクション(Medical Selection)』を取り上げたい。  渡辺氏を語る際に避けて通れないのは、1968年8月に行われた札幌医科大学の和田寿郎教授による本邦初の心臓移植手術の問題である。当時、同氏は札幌医大の大学院生だったと、このメディカル・セレクションの3冊に付されている特別インタビューで明らかにしている。この頃、地域の同人誌を中心に小説を発表し、新潮同人雑誌賞を受賞するなど、新人小説家として中央からも関心を集め始めていた同氏だが、いわゆる和田移植問題が、小説家一本で進んでいく契機となったことが語られている(なお、このインタビューでは新潮同人雑誌賞の受賞半年後に和田移植があったと述べているが、同賞の受賞は65年とな

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