医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

期待の抗がん剤登場 開発競争は新段階に突入

第55回

生島准

2015年2月15日号

 久々のブロックバスターが抗がん剤で誕生した。個の医療が進展した結果、ここ10年の間、患者数が限定された小粒の抗がん剤ばかりが商品化されていた。しかし、こうした個の医療の袋小路に迷い込んでいた抗がん剤を救う救世主となりそうなのが、ファイザーが2月3日、米食品医薬品局(FDA)から承認を獲得したファーストインクラスの「アイブランス」(パルボシクリブ)である。  アイブランスは、細胞周期のチェックポイント阻害剤というまったく新しい作用機構の抗がん剤である。昨年、小野薬品とブリストルマイヤーズスクイブの抗PD1抗体が拓いた免疫チェックポイント阻害剤と並び、今後10年の抗がん剤市場を成長させる力強いエンジンとなる。  がん細胞も正常の細胞も増殖する時には4つのステップを経る。第1はG1期というステップだ。これは顕微鏡で観察してい...  久々のブロックバスターが抗がん剤で誕生した。個の医療が進展した結果、ここ10年の間、患者数が限定された小粒の抗がん剤ばかりが商品化されていた。しかし、こうした個の医療の袋小路に迷い込んでいた抗がん剤を救う救世主となりそうなのが、ファイザーが2月3日、米食品医薬品局(FDA)から承認を獲得したファーストインクラスの「アイブランス」(パルボシクリブ)である。  アイブランスは、細胞周期のチェックポイント阻害剤というまったく新しい作用機構の抗がん剤である。昨年、小野薬品とブリストルマイヤーズスクイブの抗PD1抗体が拓いた免疫チェックポイント阻害剤と並び、今後10年の抗がん剤市場を成長させる力強いエンジンとなる。  がん細胞も正常の細胞も増殖する時には4つのステップを経る。第1はG1期というステップだ。これは顕微鏡で観察している限

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