医政羅針盤
国保広域化で役割分担が「五里霧中」
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2015年2月1日号
厚生労働省は、市町村国保の財政運営を18年4月から都道府県に移管する方針を示している。市町村国保の財政運営は、長年にわたって構造的に厳しい状況に直面しており、広域化の必要性は以前から指摘されてきた。
これまでも、平成の大合併によって、市町村の規模自体が広域化してきたし、いわゆる「三位一体の改革」で都道府県調整交付金が導入され、その後の医療保険制度改革でも、都道府県単位での財政調整の拡充が進められてきた。そして、一昨年の「社会保障制度改革国民会議報告書」でも、保険者を都道府県とすべきとの提言が行われていた。
医療保険がリスク分散という目的を果たすためには、大数の法則が成り立つことが必要であり、規模が小さ過ぎることは望ましくない。他方で、規模があまりに大き過ぎても、効率的な保険運営ができない恐れが高まる。言い換えれば、医療保険の財政運営の...
厚生労働省は、市町村国保の財政運営を18年4月から都道府県に移管する方針を示している。市町村国保の財政運営は、長年にわたって構造的に厳しい状況に直面しており、広域化の必要性は以前から指摘されてきた。
これまでも、平成の大合併によって、市町村の規模自体が広域化してきたし、いわゆる「三位一体の改革」で都道府県調整交付金が導入され、その後の医療保険制度改革でも、都道府県単位での財政調整の拡充が進められてきた。そして、一昨年の「社会保障制度改革国民会議報告書」でも、保険者を都道府県とすべきとの提言が行われていた。
医療保険がリスク分散という目的を果たすためには、大数の法則が成り立つことが必要であり、規模が小さ過ぎることは望ましくない。他方で、規模があまりに大き過ぎても、効率的な保険運営ができない恐れが高まる。言い換えれば、医療保険の財政運営の単位
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録