医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

抗体誘導体の競争激化 遅れをとる日本の大手企業

第54回

生島准

2015年1月15日号

 抗体誘導体の本格的な実用化が始まった。 その象徴的な動きは14年12月に起こった。米国食品医薬品局(FDA)が駆け込み認可した3つの抗体医薬が、すべて抗体誘導体であった。15年は間違いなく、抗体医薬元年となるだろう。 現在、地球上では53種類以上の抗体医薬が商業化されている。固形腫瘍をも治癒できる画期的な抗がん剤やリウマチなどの自己免疫疾患の治療薬として、人々の健康に貢献しているが、今年は重症の家族性高コレステロール血症など循環器疾患の分野でも抗体医薬が実用化する。抗体医薬が第2の成長段階に入り、その成長のエンジンこそが抗体誘導体なのだ。 日本企業は時代遅れのブロックバスターである生活習慣病の低分子薬のラスト・イン・クラス開発に拘泥するという企業戦略の致命的な判断ミスを犯した結果、90年代後半から始まった抗体医薬の商業化には完全に乗り遅れた。今年...  抗体誘導体の本格的な実用化が始まった。 その象徴的な動きは14年12月に起こった。米国食品医薬品局(FDA)が駆け込み認可した3つの抗体医薬が、すべて抗体誘導体であった。15年は間違いなく、抗体医薬元年となるだろう。 現在、地球上では53種類以上の抗体医薬が商業化されている。固形腫瘍をも治癒できる画期的な抗がん剤やリウマチなどの自己免疫疾患の治療薬として、人々の健康に貢献しているが、今年は重症の家族性高コレステロール血症など循環器疾患の分野でも抗体医薬が実用化する。抗体医薬が第2の成長段階に入り、その成長のエンジンこそが抗体誘導体なのだ。 日本企業は時代遅れのブロックバスターである生活習慣病の低分子薬のラスト・イン・クラス開発に拘泥するという企業戦略の致命的な判断ミスを犯した結果、90年代後半から始まった抗体医薬の商業化には完全に乗り遅れた。今年から

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