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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

社会福祉法人の非課税を考える

東京福祉大学・大学院 副学長 喜多村悦史

2015年1月1日号

 財務省の財政制度等審議会では、次回の介護報酬改定で6%も引き下げる案が唱えられている。介護事業者の利益率が平均8%に上り、中小企業全体の利益率(2%)とのバランスを失していることが理由であるようだ。「まるで小学生並みの論理。話にならない」。特別養護老人ホームを経営している社会福祉法人の理事長が、吐き捨てるように言う。「施設はやがて老朽化する。利用者の要求水準は年々高度化しているから、建て替え時には新設時よりも多額の資金が必要になる。そのための資金として、事業利益は必要なのだ」と。 なるほど、と納得しかけたが、ちょっと考えるとおかしい。 原点に立って考えてみよう。社会福祉法人は、法人税非課税である。それはなぜか。 戦前の社会福祉事業は、民間篤志家によって、寄付金などの浄財をもって営まれたものだった。そこへ戦後、連合軍総司令部(GHQ)が「福...  財務省の財政制度等審議会では、次回の介護報酬改定で6%も引き下げる案が唱えられている。介護事業者の利益率が平均8%に上り、中小企業全体の利益率(2%)とのバランスを失していることが理由であるようだ。「まるで小学生並みの論理。話にならない」。特別養護老人ホームを経営している社会福祉法人の理事長が、吐き捨てるように言う。「施設はやがて老朽化する。利用者の要求水準は年々高度化しているから、建て替え時には新設時よりも多額の資金が必要になる。そのための資金として、事業利益は必要なのだ」と。 なるほど、と納得しかけたが、ちょっと考えるとおかしい。 原点に立って考えてみよう。社会福祉法人は、法人税非課税である。それはなぜか。 戦前の社会福祉事業は、民間篤志家によって、寄付金などの浄財をもって営まれたものだった。そこへ戦後、連合軍総司令部(GHQ)が「福祉

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