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世界的潮流を無視した地裁判決

「修復腎移植訴訟」、一審は原告敗訴

ノンフィクションライター 高橋幸春

2014年12月15日号

「原告らの請求を棄却する」  松山地方裁判所が下した判決は、実に素っ気ないものだった。法廷は1分もしないで閉廷した。  宇和島徳洲会病院の万波誠を中心にした「瀬戸内グループ」の医師団は、治療のために摘出せざるを得なかった腎臓のうち、4センチ未満の小径腎がんの部分を取り除き、いわゆる「修復腎」として、透析に苦しむ患者に移植して大きな実績を上げていた。  しかし、日本移植学会の猛反発を招いた修復腎移植は、厚生労働省によって現在、「原則禁止」の措置が取られている。  08年12月、腎不全患者7人が「幸福追求権」を奪われたとして、移植学会幹部5人を相手に、総額5500万円の損害賠償を求める「修復腎移植訴訟」を起こした。その判決が、10月28日に松山地裁で下ったのだ。  被告のひとりで、08年当時、移植学会副理事長だった大島伸一は、修復腎移植は「医学的に根拠がない」と... 「原告らの請求を棄却する」  松山地方裁判所が下した判決は、実に素っ気ないものだった。法廷は1分もしないで閉廷した。  宇和島徳洲会病院の万波誠を中心にした「瀬戸内グループ」の医師団は、治療のために摘出せざるを得なかった腎臓のうち、4センチ未満の小径腎がんの部分を取り除き、いわゆる「修復腎」として、透析に苦しむ患者に移植して大きな実績を上げていた。  しかし、日本移植学会の猛反発を招いた修復腎移植は、厚生労働省によって現在、「原則禁止」の措置が取られている。  08年12月、腎不全患者7人が「幸福追求権」を奪われたとして、移植学会幹部5人を相手に、総額5500万円の損害賠償を求める「修復腎移植訴訟」を起こした。その判決が、10月28日に松山地裁で下ったのだ。  被告のひとりで、08年当時、移植学会副理事長だった大島伸一は、修復腎移植は「医学的に根拠がない」と繰り

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