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世界の医薬品業界

抗がん剤の価格の落としどころ

第93回

医薬評論家 五條正也

2014年12月15日号

 11月10日、米国のデンドレオンが民事再生法(チャプター11)を申請した。デンドレオンは「プロベンジ」が去勢抵抗性の前立腺がんで初の治療用ワクチンとして10年4月にFDA(米食品医薬品局)の承認を得た抗がん剤ベンチャーだ。ワクチンと言っても患者の血液からつくる個別化医療の製品である。FDAへの承認申請後はピーク時に20億ドルを超えると予想したアナリストもいたが、3回で9万3000ドルという高価格も影響して、12年に3.25億ドルとなった後、売上げは減少していた。  この成分名(細胞)の「シプルーセルT」をつくるには、患者から採血し、白血球の分離によって抗原発現細胞(APC)とし、融合たんぱくで抗原の前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)と融合させる。次に免疫信号因子のGM—CSFでAPCを完全に活性化させたものがシプルーセルTとなり、採血後3〜4日目に患者のもとへ...  11月10日、米国のデンドレオンが民事再生法(チャプター11)を申請した。デンドレオンは「プロベンジ」が去勢抵抗性の前立腺がんで初の治療用ワクチンとして10年4月にFDA(米食品医薬品局)の承認を得た抗がん剤ベンチャーだ。ワクチンと言っても患者の血液からつくる個別化医療の製品である。FDAへの承認申請後はピーク時に20億ドルを超えると予想したアナリストもいたが、3回で9万3000ドルという高価格も影響して、12年に3.25億ドルとなった後、売上げは減少していた。  この成分名(細胞)の「シプルーセルT」をつくるには、患者から採血し、白血球の分離によって抗原発現細胞(APC)とし、融合たんぱくで抗原の前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)と融合させる。次に免疫信号因子のGM—CSFでAPCを完全に活性化させたものがシプルーセルTとなり、採血後3〜4日目に患者のもとへ届け

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