読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
「安楽死」を肯定的に描いた「高瀬舟」
第15回
鍛冶孝雄
2014年12月15日号
1947年から49年の間に生まれたいわゆる団塊の世代は、今年中にすべて65歳以上になる。フル年金受給者であり、前期高齢者に達したことになる。この爆発的に多い世代の健康管理、医療対応は財源問題を中核として、今後の社会・経済・文化の重要な課題となることが常識なのは言わずもがなだが、それを先取りするように、社会的トレンドでは「死」に対する論議が高まろうとしている。
この連載でも「平穏死」を説く、医師の著作をいくつか紹介したが、週刊文春でもつい最近、立花隆氏による「死」そのものを形而上学的にアプローチする連載が行われた。一般的にこうした動きは、筆者には「無益(あるいはそれに近い)な積極的な医療」の現状や市民意識、「なったばかりの爆発的に増えた高齢者」に対して、「死は怖くない」、「死までの時間を大切にする」ことで、つまりはいわゆる「大往...
1947年から49年の間に生まれたいわゆる団塊の世代は、今年中にすべて65歳以上になる。フル年金受給者であり、前期高齢者に達したことになる。この爆発的に多い世代の健康管理、医療対応は財源問題を中核として、今後の社会・経済・文化の重要な課題となることが常識なのは言わずもがなだが、それを先取りするように、社会的トレンドでは「死」に対する論議が高まろうとしている。
この連載でも「平穏死」を説く、医師の著作をいくつか紹介したが、週刊文春でもつい最近、立花隆氏による「死」そのものを形而上学的にアプローチする連載が行われた。一般的にこうした動きは、筆者には「無益(あるいはそれに近い)な積極的な医療」の現状や市民意識、「なったばかりの爆発的に増えた高齢者」に対して、「死は怖くない」、「死までの時間を大切にする」ことで、つまりはいわゆる「大往生
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