時流遡航
エリザベス女王戴冠式と皇太子訪英
第8回
2014年12月15日号
英国では戴冠式に向け、エリザベス女王のパレードが行われる大通り沿いの街並みを明るい色にする作業が始まり、著名な公共の建物などもいったん明るいピンク系のパステルカラーに塗り替えられた。当然、その作業に関わったのは一流のデザイナーや装飾関係の専門家たちだったが、結果的にその企ては大失敗に終わってしまう。明るいパステルカラーというものは、スペインやイタリア南部など燦々と降り注ぐ陽光のもとにあってこそ美しい。緯度や気候の関係で強い太陽光の差し込むことの少ない英国のような風土にあっては、ピンク系のパステルカラーは甚だ貧弱で浮薄な感じを生み出すばかりで、塗り替え作業の進んだ街並みは以前に増してみすぼらしい感じになってしまったのだった。
街並みのピンク・カラー塗装計画が失敗だと判明するや、一週間後に戴冠式が迫っているにもかかわらず、...
英国では戴冠式に向け、エリザベス女王のパレードが行われる大通り沿いの街並みを明るい色にする作業が始まり、著名な公共の建物などもいったん明るいピンク系のパステルカラーに塗り替えられた。当然、その作業に関わったのは一流のデザイナーや装飾関係の専門家たちだったが、結果的にその企ては大失敗に終わってしまう。明るいパステルカラーというものは、スペインやイタリア南部など燦々と降り注ぐ陽光のもとにあってこそ美しい。緯度や気候の関係で強い太陽光の差し込むことの少ない英国のような風土にあっては、ピンク系のパステルカラーは甚だ貧弱で浮薄な感じを生み出すばかりで、塗り替え作業の進んだ街並みは以前に増してみすぼらしい感じになってしまったのだった。
街並みのピンク・カラー塗装計画が失敗だと判明するや、一週間後に戴冠式が迫っているにもかかわらず、い
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