医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

医政羅針盤

後発品使用促進で財務省が投げた「高い球」

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2014年11月15日号

 財務省は、10月8日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で、後発品の使用割合目標が「遅過ぎ、低過ぎ」であるとして、「目標の再設定を図る必要がある」と指摘するとともに、いくつかの新たな使用促進策の提案を行った。具体的には、「すべての保険者を対象に、後発品の使用が進んだ保険者の保険料が軽減されうる仕組み」をつくり、保険者機能を強化することや、「先発医薬品についての保険給付額を後発品に基づいて設定し、それを上回る部分は患者負担とする」参照価格制度を導入し、患者選択におけるインセンティブを与える、といった内容である。  財務省は、明らかに実現困難な「高い球」を敢えて投げ、「落としどころ」を探るその後の調整過程で、少しでも財政削減効果を勝ち取ろうとする「作戦」を展開することがしばしばある。それをしつこいほどに繰り返しながら、議論の流れをつくり...  財務省は、10月8日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会で、後発品の使用割合目標が「遅過ぎ、低過ぎ」であるとして、「目標の再設定を図る必要がある」と指摘するとともに、いくつかの新たな使用促進策の提案を行った。具体的には、「すべての保険者を対象に、後発品の使用が進んだ保険者の保険料が軽減されうる仕組み」をつくり、保険者機能を強化することや、「先発医薬品についての保険給付額を後発品に基づいて設定し、それを上回る部分は患者負担とする」参照価格制度を導入し、患者選択におけるインセンティブを与える、といった内容である。  財務省は、明らかに実現困難な「高い球」を敢えて投げ、「落としどころ」を探るその後の調整過程で、少しでも財政削減効果を勝ち取ろうとする「作戦」を展開することがしばしばある。それをしつこいほどに繰り返しながら、議論の流れをつくり出

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence