医薬経済オンライン

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世界水準の環境整備を 動き出す臨床研究の法的規制

第52回

生島准

2014年11月15日号

 厚生労働省は11月6日、臨床研究に対する法的規制を行うことをとうとう決定した。「第8回臨床研究にかかわる制度の在り方に関する検討会」で承認された報告書の骨子に、明確に臨床研究の被験者保護と質の確保を行う法律の整備が謳われた。背景には昨年発覚したノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究のデータ捏造事件がある。事件発覚後、約1年半を経てわが国の臨床研究正常化に向けた力強い歩みが始まった。中途半端な政治的妥協を排除できれば、わが国の臨床研究や臨床試験が世界レベルに追いつく好機となる。 しかし、考えてみれば臨床研究の当事者には大学や医療機関の医師というもうひとりの当事者がいることは明白である。すべての臨床研究の不正が、こうした医師がまったく関与せずに行われるはずもない。厚労省のディオバン事件調査委員会(高血圧症治療薬の臨床研究事案...  厚生労働省は11月6日、臨床研究に対する法的規制を行うことをとうとう決定した。「第8回臨床研究にかかわる制度の在り方に関する検討会」で承認された報告書の骨子に、明確に臨床研究の被験者保護と質の確保を行う法律の整備が謳われた。背景には昨年発覚したノバルティスファーマの高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究のデータ捏造事件がある。事件発覚後、約1年半を経てわが国の臨床研究正常化に向けた力強い歩みが始まった。中途半端な政治的妥協を排除できれば、わが国の臨床研究や臨床試験が世界レベルに追いつく好機となる。 しかし、考えてみれば臨床研究の当事者には大学や医療機関の医師というもうひとりの当事者がいることは明白である。すべての臨床研究の不正が、こうした医師がまったく関与せずに行われるはずもない。厚労省のディオバン事件調査委員会(高血圧症治療薬の臨床研究事案に

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