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徐々に現れる腫瘍免疫の真価

第61回

バークレイズ証券 株式調査部 関篤史

2014年10月15日号

 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)は「腫瘍免疫」一色という印象だった。これまで主流だった化学療法剤やチロシンキナーゼ阻害剤がどこかへ行ってしまったようだ、と表現するのは言い過ぎだろうか。腫瘍免疫が今後のがん治療を大きく変えていくことはもはや疑いの余地がない。  それでは、ESMOで公表された話題に触れてみたい。  抗PD1抗体と抗CTLA4抗体の併用療法でメラノーマ治療は大きく変わることになる(表)。これまで使用されてきた化学療法剤では生存期間が極めて限定的で、「ダカルバジン」の6年生存率は2%未満だった。これまでの学会で公表されたデータをまとめると、「オプジーボ」と「エルヴォイ」の併用療法で2年生存率74%と劇的な改善が見られた。今回のESMOでは、エルヴォイ経験後にオプジーボを使用する第Ⅲ相試験結果が公表され、奏効率は32%(120人中38人)だった。...  欧州臨床腫瘍学会(ESMO)は「腫瘍免疫」一色という印象だった。これまで主流だった化学療法剤やチロシンキナーゼ阻害剤がどこかへ行ってしまったようだ、と表現するのは言い過ぎだろうか。腫瘍免疫が今後のがん治療を大きく変えていくことはもはや疑いの余地がない。  それでは、ESMOで公表された話題に触れてみたい。  抗PD1抗体と抗CTLA4抗体の併用療法でメラノーマ治療は大きく変わることになる(表)。これまで使用されてきた化学療法剤では生存期間が極めて限定的で、「ダカルバジン」の6年生存率は2%未満だった。これまでの学会で公表されたデータをまとめると、「オプジーボ」と「エルヴォイ」の併用療法で2年生存率74%と劇的な改善が見られた。今回のESMOでは、エルヴォイ経験後にオプジーボを使用する第Ⅲ相試験結果が公表され、奏効率は32%(120人中38人)だった。一方

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