世界の医薬品業界
難しくなる先進国の価格設定
第91回
医薬評論家 五條正也
2014年10月15日号
今回は世界的メーカーにとって大きな問題となっている欧米の薬価について取り上げる。その前に今年は売上高が120億ドルを超えると予想され、世界最大の医薬品となりそうな慢性C型肝炎薬「ソバルディ」が米国で卸価格が1日1錠当たり1000ドル、1サイクルの84日間で8万4000ドルと設定されたことについて「なぜそんな高価格が設定できるのか」と質問を受けたので、その薬価設定の事情を説明しよう。米国や英国、スイスやデンマークはメーカーが自由に薬価を設定できるのだ。 ソバルディはC型肝炎薬として初めてインターフェロンを併用せず、経口剤だけで治療できる画期的製品として米国では13年12月に登場した。それまでの治療では、「インシベック(日本名=テラビック)12週間+週1回のペグインターフェロン注射+リバビリン(ジェネリック)24週間」で約75%の治癒率だった。しかもインシベックは1日...
今回は世界的メーカーにとって大きな問題となっている欧米の薬価について取り上げる。その前に今年は売上高が120億ドルを超えると予想され、世界最大の医薬品となりそうな慢性C型肝炎薬「ソバルディ」が米国で卸価格が1日1錠当たり1000ドル、1サイクルの84日間で8万4000ドルと設定されたことについて「なぜそんな高価格が設定できるのか」と質問を受けたので、その薬価設定の事情を説明しよう。米国や英国、スイスやデンマークはメーカーが自由に薬価を設定できるのだ。 ソバルディはC型肝炎薬として初めてインターフェロンを併用せず、経口剤だけで治療できる画期的製品として米国では13年12月に登場した。それまでの治療では、「インシベック(日本名=テラビック)12週間+週1回のペグインターフェロン注射+リバビリン(ジェネリック)24週間」で約75%の治癒率だった。しかもインシベックは1日3回
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