医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

ゲノムで医療改革の時代 相変わらず取り残される日本

第51回

生島准

2014年10月15日号

「いよいよゲノム解析ががん医療を変革する時代が来たのか」 今まで遺伝にすら興味を持たなかった臨床医が嘆息するほど、先端医療は急速に進歩した。今年9月25日から横浜で開催された日本癌学会で最も脚光を浴びたのがクリニカルシーケンスである。患者のがん組織の全ゲノム解析が、抗がん剤の処方を決める重要情報となるばかりでなく、まだ治療薬のないがん撲滅のための新薬開発の決定的な手掛かりを与えるためだ。米国では13年11月に次世代DNAシーケンサーが医療機器として認可された。ゲノム解読を活用するクリニカルシーケンスは、今や健康保険の償還対象となる先端医療の一翼を担う。 わが国でも、がん治療の専門医たちは「クリニカルシーケンスを普及しなくては」と鼻息が荒い。しかし、本当にそんな時代がやってくるのか。政府のヒトゲノム解読研究に対する投資の貧弱さが透けて見える。クリ... 「いよいよゲノム解析ががん医療を変革する時代が来たのか」 今まで遺伝にすら興味を持たなかった臨床医が嘆息するほど、先端医療は急速に進歩した。今年9月25日から横浜で開催された日本癌学会で最も脚光を浴びたのがクリニカルシーケンスである。患者のがん組織の全ゲノム解析が、抗がん剤の処方を決める重要情報となるばかりでなく、まだ治療薬のないがん撲滅のための新薬開発の決定的な手掛かりを与えるためだ。米国では13年11月に次世代DNAシーケンサーが医療機器として認可された。ゲノム解読を活用するクリニカルシーケンスは、今や健康保険の償還対象となる先端医療の一翼を担う。 わが国でも、がん治療の専門医たちは「クリニカルシーケンスを普及しなくては」と鼻息が荒い。しかし、本当にそんな時代がやってくるのか。政府のヒトゲノム解読研究に対する投資の貧弱さが透けて見える。クリニ

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