医薬経済オンライン

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プロタミンが示す「グローバルニッチ」の方向性

国産原薬メーカーの実力(後編)

2014年10月1日号

「グローバルニッチ」を志向するビジネスには、リスクもある。販売会社などの視点に立てば、製品の原材料を独占供給する原薬会社に依存してしまうと、供給上のリスクが大きくなるからだ。  この懸念が、11年の東日本大震災で現実になった。ヘパリン中和剤などで世界中で使われている「プロタミン硫酸塩」の原料供給が、日本の三陸沿岸に集中していたためだ。東北の太平洋沿岸部を襲った大津波により、最も品質の高いプロタミン原材料となるシロ鮭の供給元である、三陸沿岸の30ヵ所近い鮭孵化場や漁場は全滅した。  前号(9月1日号)で説明したように、米国食品医薬品局(FDA)をはじめとする各国の審査当局は、ドラッグマスターファイル(DMF)を通じ、原薬の品質管理を行っている。同じ鮭だからといって、医薬品原料としては、すぐに産地変更がOKというわけにはいかない。図は、同じ産地でと... 「グローバルニッチ」を志向するビジネスには、リスクもある。販売会社などの視点に立てば、製品の原材料を独占供給する原薬会社に依存してしまうと、供給上のリスクが大きくなるからだ。  この懸念が、11年の東日本大震災で現実になった。ヘパリン中和剤などで世界中で使われている「プロタミン硫酸塩」の原料供給が、日本の三陸沿岸に集中していたためだ。東北の太平洋沿岸部を襲った大津波により、最も品質の高いプロタミン原材料となるシロ鮭の供給元である、三陸沿岸の30ヵ所近い鮭孵化場や漁場は全滅した。  前号(9月1日号)で説明したように、米国食品医薬品局(FDA)をはじめとする各国の審査当局は、ドラッグマスターファイル(DMF)を通じ、原薬の品質管理を行っている。同じ鮭だからといって、医薬品原料としては、すぐに産地変更がOKというわけにはいかない。図は、同じ産地でとれ

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