医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

「独立企業」、中外のアイデンティティ

海外志向に垣間見える葛藤

2014年9月15日号

「親子上場が規制されるかもしれない?さして関心はない。中外が上場廃止になるなら別だが」  09年に政権を奪取した当時の民主党政権が、その政策集のなかで、親会社と子会社ともに株式上場する、いわゆる「親子上場」を問題視し、規制化に向けて具体的な検討を行ったことがあった。しかし、医薬品セクターに投資する市場関係者の多くはこの動向に無関心だった。機関投資家はそもそも、そうした製薬企業にあまり投資対象としての魅力を見出していなかったようである。  唯一の例外が、中外製薬だ。正確に言えば、スイス・ロシュを親会社に持つ同社のような“半外資系”にまで、時の政権が規制の網の目を広げる意図を持っていたとは考えにくいが、「仮定の話だとしても、中外が投資対象から外れるのは困る」というのが、投資家の生の声だったと言えるだろう。  当然と言えば当然の話だ。傍目に見れば無... 「親子上場が規制されるかもしれない?さして関心はない。中外が上場廃止になるなら別だが」  09年に政権を奪取した当時の民主党政権が、その政策集のなかで、親会社と子会社ともに株式上場する、いわゆる「親子上場」を問題視し、規制化に向けて具体的な検討を行ったことがあった。しかし、医薬品セクターに投資する市場関係者の多くはこの動向に無関心だった。機関投資家はそもそも、そうした製薬企業にあまり投資対象としての魅力を見出していなかったようである。  唯一の例外が、中外製薬だ。正確に言えば、スイス・ロシュを親会社に持つ同社のような“半外資系”にまで、時の政権が規制の網の目を広げる意図を持っていたとは考えにくいが、「仮定の話だとしても、中外が投資対象から外れるのは困る」というのが、投資家の生の声だったと言えるだろう。  当然と言えば当然の話だ。傍目に見れば無理な

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