医薬経済オンライン

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新薬の市場環境を読む

余る現金と業界再編の考察

第60回

バークレイズ証券 株式調査部 関篤史

2014年9月15日号

 今年春から続く製薬業界の再編の裏にある背景として「余るキャッシュ」という課題が根底に流れているように筆者は感じている。そして、国内製薬企業のキャッシュの使途に変化はなく、引き続き貯蓄が美徳であるように見える。少し考察をしてみたい。  ブルームバーグは8月15日、ロシュは中外の未保有分約38%について約100億ドルで取得に向けて協議し、早ければ8月18日の週に公表される可能性もあると報道した。中外は16日、東京証券取引所に開示を行い、現在、社内でロシュによる完全子会社化についての検討や、ロシュと中外の間でこのような協議が行われているという事実はないとした。  両社は8月28日、戦略的アライアンスに基づく自社製品導出契約の一部変更を公表し、中外の早期パイプラインに対してロシュはより早くアクセスできることになった。タイミングを考えると、ロシュは社内で中外に関...  今年春から続く製薬業界の再編の裏にある背景として「余るキャッシュ」という課題が根底に流れているように筆者は感じている。そして、国内製薬企業のキャッシュの使途に変化はなく、引き続き貯蓄が美徳であるように見える。少し考察をしてみたい。  ブルームバーグは8月15日、ロシュは中外の未保有分約38%について約100億ドルで取得に向けて協議し、早ければ8月18日の週に公表される可能性もあると報道した。中外は16日、東京証券取引所に開示を行い、現在、社内でロシュによる完全子会社化についての検討や、ロシュと中外の間でこのような協議が行われているという事実はないとした。  両社は8月28日、戦略的アライアンスに基づく自社製品導出契約の一部変更を公表し、中外の早期パイプラインに対してロシュはより早くアクセスできることになった。タイミングを考えると、ロシュは社内で中外に関し

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