医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

世界的大手の厳しい現実とその影響

第90回

医薬評論家 五條正也

2014年9月15日号

 表は、今年上半期と3年前の11年上半期との医療用医薬品の売上高の比較で、減収額と増収額の多い世界的大手の数字である。減収額の多い上段の7社は基本的に低分子の大型品を中心とした従来型大手だ。サノフィやイーライリリーはインスリンがあり、ブリストルマイヤーズスクイブは抗リウマチ剤の「オレンシア」や抗がん剤の「エルボイ」といったバイオへシフトしているが、この規模になると年間数十億ドルの超大型品のパテント切れを3年経ってもカバーできていない。 ファイザーはこの間に「リピトール」が50億ドルから10億ドルへほぼ40億ドル減少しているが、減収額全体は66.6億ドルで、リピトール以上のマイナスだ。これらの従来型大手7社合計では、上半期だけで3年前より221億ドルも減少しており、ほぼファイザー1社分の市場が消えたことになる。 90年代に登場した超大型品を上回る新製品はごく一部...  表は、今年上半期と3年前の11年上半期との医療用医薬品の売上高の比較で、減収額と増収額の多い世界的大手の数字である。減収額の多い上段の7社は基本的に低分子の大型品を中心とした従来型大手だ。サノフィやイーライリリーはインスリンがあり、ブリストルマイヤーズスクイブは抗リウマチ剤の「オレンシア」や抗がん剤の「エルボイ」といったバイオへシフトしているが、この規模になると年間数十億ドルの超大型品のパテント切れを3年経ってもカバーできていない。 ファイザーはこの間に「リピトール」が50億ドルから10億ドルへほぼ40億ドル減少しているが、減収額全体は66.6億ドルで、リピトール以上のマイナスだ。これらの従来型大手7社合計では、上半期だけで3年前より221億ドルも減少しており、ほぼファイザー1社分の市場が消えたことになる。 90年代に登場した超大型品を上回る新製品はごく一部を

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