海外時報
ブレークスルーの大きな波と薬剤費管理
「高くても費用影響は限定的」は過去の話に
2014年9月15日号
米国臨床腫瘍学会(ASCO)の経済を含めた抗がん剤スコアカード作成を典型に、薬価差益を主たる収入源としてきた腫瘍専門医が、盛んに薬価で発言し始めたのは、負担できずに薬剤を諦める患者が目立ってきた結果である。
診療所で用いる抗がん剤に、平均販売価格の106%で払い戻す方法は値引き販売としては有効だったが、医師を利幅の大きい高額製剤に走らせた。そこで、差益に代えて患者管理フィーを提供する仕組みが試されている。
民間保険ユナイテッド・ヘルスの患者810人を対象にした3年の実験によると、化学療法の費用は出来高払いより1346万ドル増えたが、総費用は3336万ドル減った。これは薬剤費と所得の関係を断ち、「医師が保険に薬剤を買わせる」関係から離れ、最適処方に専念させる効果とされ、薬価に対する医師の発言の自由度も広がった。
オバマケアで保険適用拡大が進むなか、...
米国臨床腫瘍学会(ASCO)の経済を含めた抗がん剤スコアカード作成を典型に、薬価差益を主たる収入源としてきた腫瘍専門医が、盛んに薬価で発言し始めたのは、負担できずに薬剤を諦める患者が目立ってきた結果である。
診療所で用いる抗がん剤に、平均販売価格の106%で払い戻す方法は値引き販売としては有効だったが、医師を利幅の大きい高額製剤に走らせた。そこで、差益に代えて患者管理フィーを提供する仕組みが試されている。
民間保険ユナイテッド・ヘルスの患者810人を対象にした3年の実験によると、化学療法の費用は出来高払いより1346万ドル増えたが、総費用は3336万ドル減った。これは薬剤費と所得の関係を断ち、「医師が保険に薬剤を買わせる」関係から離れ、最適処方に専念させる効果とされ、薬価に対する医師の発言の自由度も広がった。
オバマケアで保険適用拡大が進むなか、高
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