ラテン転々
改めて日本人を思う
三山喬
2014年9月15日号
中東やウクライナ情勢に象徴されるように、冷戦後の世界では、第一次大戦前を思わせるナショナリズム・民族対立の嵐が吹き荒れている。と同時に、インターネットの普及は、各国の風土に根差した〝国民性の違い〟を急速に薄めている。 一見、正反対に見える世界の潮流を、私たちはどう理解したらよいのか。 私のぼんやりとした印象を大雑把に言えば、前者の潮流は、貧しい人々や途上国を中心に起こっている現象で、後者は、先進国の中流層以上の傾向のように思える。 日本国内を見ても、近年の極端な排外主義の担い手には、経済的・社会的にあまり恵まれない立場の人々が多いと指摘されている。 中国で反日暴動などを起こしている「憤青」と呼ばれる若者もそうだ。 要は、個々人の日常の不満の捌け口として、民族主義的な看板が使われているだけで、一人ひとりが実際に、先祖伝来の生き方に回帰し...
中東やウクライナ情勢に象徴されるように、冷戦後の世界では、第一次大戦前を思わせるナショナリズム・民族対立の嵐が吹き荒れている。と同時に、インターネットの普及は、各国の風土に根差した〝国民性の違い〟を急速に薄めている。 一見、正反対に見える世界の潮流を、私たちはどう理解したらよいのか。 私のぼんやりとした印象を大雑把に言えば、前者の潮流は、貧しい人々や途上国を中心に起こっている現象で、後者は、先進国の中流層以上の傾向のように思える。 日本国内を見ても、近年の極端な排外主義の担い手には、経済的・社会的にあまり恵まれない立場の人々が多いと指摘されている。 中国で反日暴動などを起こしている「憤青」と呼ばれる若者もそうだ。 要は、個々人の日常の不満の捌け口として、民族主義的な看板が使われているだけで、一人ひとりが実際に、先祖伝来の生き方に回帰してい
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