医薬経済オンライン

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From Local to Global 私と公衆衛生

個別疾病対策と法の乱立

第71回

日本尊厳死協会理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2014年9月1日号

 第186回通常国会の事実上の会期末であった6月20日、急増するアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患への対策指針策定を国に義務付ける「アレルギー疾患対策基本法」が、参院本会議で可決、成立した。また、「脳卒中対策基本法案」も会期末ぎりぎりの参議院に提出されて継続審査扱いとなり、次の国会で議論されることとなった。果たして、個別疾病対策に法律が必要だろうか、考えてみたい。  そもそも法律とは、日本国憲法第59条に従い、国会の議決を経て制定される法を言うのだが、実は、法律が濫造され、法体系が膨大になりすぎないような歯止めがある。63年の閣議決定により、内閣が提出する法案は、原則として「法律の規定によることを要する事項をその内容に含まない法律案は提出しないこと」とされた。つまり、人の権利を制限し、あるいは義務を課す規定こそが法律であり、法律の本質は...  第186回通常国会の事実上の会期末であった6月20日、急増するアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患への対策指針策定を国に義務付ける「アレルギー疾患対策基本法」が、参院本会議で可決、成立した。また、「脳卒中対策基本法案」も会期末ぎりぎりの参議院に提出されて継続審査扱いとなり、次の国会で議論されることとなった。果たして、個別疾病対策に法律が必要だろうか、考えてみたい。  そもそも法律とは、日本国憲法第59条に従い、国会の議決を経て制定される法を言うのだが、実は、法律が濫造され、法体系が膨大になりすぎないような歯止めがある。63年の閣議決定により、内閣が提出する法案は、原則として「法律の規定によることを要する事項をその内容に含まない法律案は提出しないこと」とされた。つまり、人の権利を制限し、あるいは義務を課す規定こそが法律であり、法律の本質は強要

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