医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

老医師のつぶやき

剴カ虐待と社会病理

第29回

吉原忠男(前埼玉県医師会長)

2014年9月1日号

 最近は大人や年少者の児童虐待と児童殺人がよく報道される。13年度は児童虐待対応件数が過去最多の7万件を超えた。厚生労働省のホームページによると、この20年間で70倍になった。被虐待児童は小児慢性疾患者の約3倍、4万3000人である。  なぜ増えたか。親にあるリスクには、望まない妊娠と出産、離婚、家庭内不和、貧困、親自身の愛情不足での成長などがある。しかし、隣人や医師や保健センターから外部へ報告のためらい、行政各部署によるDV家庭の把握困難、警察の防犯的介入への優柔不断、警察以外には唯一48時間以内に家庭内に立ち入り調査が出来る児童相談所でも職員の経験不足と人手不足、親たちの虚偽申告などといった理由で、児童保護は全国的には拙速が続いている(埼玉県小児保健協会前会長・峰真人氏の講演データを参考にした)。  昭和の終りごろから警告的な事件は連発していた。直...  最近は大人や年少者の児童虐待と児童殺人がよく報道される。13年度は児童虐待対応件数が過去最多の7万件を超えた。厚生労働省のホームページによると、この20年間で70倍になった。被虐待児童は小児慢性疾患者の約3倍、4万3000人である。  なぜ増えたか。親にあるリスクには、望まない妊娠と出産、離婚、家庭内不和、貧困、親自身の愛情不足での成長などがある。しかし、隣人や医師や保健センターから外部へ報告のためらい、行政各部署によるDV家庭の把握困難、警察の防犯的介入への優柔不断、警察以外には唯一48時間以内に家庭内に立ち入り調査が出来る児童相談所でも職員の経験不足と人手不足、親たちの虚偽申告などといった理由で、児童保護は全国的には拙速が続いている(埼玉県小児保健協会前会長・峰真人氏の講演データを参考にした)。  昭和の終りごろから警告的な事件は連発していた。直近で

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence