薬剤経済学
薬剤アドヒアランスの難問
第2回 多面的なアドヒアランス改善策の成果
2014年8月15日号
患者負担を軽くして薬剤アクセスの経済的バリアを下げると、必要な服薬の指示を守る率が上がる。だが、患者教育など負担軽減がなくてもアドヒアランスは改善できる(8月1日号)。経済的誘導策はほかの企画と併用される。当面の負担増を覚悟してでも、負担軽減による慢性疾患の薬剤療法を徹底する意義を認める企業は、給付管理全般の最適化に熱心であり、非金銭的な取り組みを同時に進めることが多い。 経済的インセンティブは服薬を超えて健康意識を高める方策にも用いられる。E.L.ジルズ(英ニューキャッスル大学)らは、そうした誘導も健康的な行動・日常生活に努める効果があると報告している(PLOS.ONE誌2014年3月)。 図(上)は、高い給付水準、手厚い給付を提供する企業(ジェネリックはゼロ負担、ブランド製剤で1調剤10ドルないし薬価の15%以内など)と、標準的な給付設計を採る企...
患者負担を軽くして薬剤アクセスの経済的バリアを下げると、必要な服薬の指示を守る率が上がる。だが、患者教育など負担軽減がなくてもアドヒアランスは改善できる(8月1日号)。経済的誘導策はほかの企画と併用される。当面の負担増を覚悟してでも、負担軽減による慢性疾患の薬剤療法を徹底する意義を認める企業は、給付管理全般の最適化に熱心であり、非金銭的な取り組みを同時に進めることが多い。 経済的インセンティブは服薬を超えて健康意識を高める方策にも用いられる。E.L.ジルズ(英ニューキャッスル大学)らは、そうした誘導も健康的な行動・日常生活に努める効果があると報告している(PLOS.ONE誌2014年3月)。 図(上)は、高い給付水準、手厚い給付を提供する企業(ジェネリックはゼロ負担、ブランド製剤で1調剤10ドルないし薬価の15%以内など)と、標準的な給付設計を採る企業
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