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海外時報

専門医の目に映る抗がん剤の価値

費用勘案の総合評価が招く「不快な現実」

2014年8月1日号

 がん医療の価値を高める取り組みとして、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が最初に着手したのが、抗がん剤新薬に対する期待値の水準を高くする提案だった。2年をかけた委員会の検討結果が、3月のジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー誌で報告されており、標準療法に対して全生存期間(OS)を少なくとも3ヵ月、1年生存率を50%ほど改善する有効性が期待されている(表1)。 進行性の結腸がんに対する治療法は、現在4〜6ヵ月の余命(中央値)しか見込めないのに、今後の新薬には3〜5ヵ月の追加を求める。その一方、非扁平上皮細胞がんに対する新療法は既存療法の13ヵ月に3〜4ヵ月の追加でクリアできるなど、腫瘍タイプに応じた改善可能性を見ている。食品医薬品局(FDA)の審査は左右しないが、優先審査指定などに暗に影響し、製薬会社の新薬開発に圧力になる。 腫瘍専門医グループの意見は...  がん医療の価値を高める取り組みとして、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が最初に着手したのが、抗がん剤新薬に対する期待値の水準を高くする提案だった。2年をかけた委員会の検討結果が、3月のジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー誌で報告されており、標準療法に対して全生存期間(OS)を少なくとも3ヵ月、1年生存率を50%ほど改善する有効性が期待されている(表1)。 進行性の結腸がんに対する治療法は、現在4〜6ヵ月の余命(中央値)しか見込めないのに、今後の新薬には3〜5ヵ月の追加を求める。その一方、非扁平上皮細胞がんに対する新療法は既存療法の13ヵ月に3〜4ヵ月の追加でクリアできるなど、腫瘍タイプに応じた改善可能性を見ている。食品医薬品局(FDA)の審査は左右しないが、優先審査指定などに暗に影響し、製薬会社の新薬開発に圧力になる。 腫瘍専門医グループの意見は秋以

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